革靴の磨き方

革靴好きっていろんな種類がいます。

特定のモデルやブランドに惚れ込んで、何足も買う人。

高級ブランドが好きなだけな人。

変わり種が好きな人。

中には履かないで、靴磨きが好きな人もいます。

高級ブランドが好きな人の中には、黒のストレートチップを一通りそろえているという、僕の理解の範疇を超えている人がいたりします。

その靴、どう使い分けているんでしょう……？

ちなみに僕は『変わり種が好きな人』の傾向が少しあります。

でも、ファッションとの相性という面を考えて、最近は不要な靴は靴単体で惚れ込んでもパスするようになれました。

このあたりは変わり種好きな癖が出て購入した靴たちです。

ヴェンテージでしか買わないので財布へのダメージは少ないですが、靴棚のスペース的には困ったちゃんたちです。

さて、長い前置きでしたが、今日の本題は靴の磨き方についてです。

磨き方は人それぞれですが、基本は

１．靴の汚れを取り除く（ブラシ、ステインリムーバー、濡れタオルなど）

２．乳化性クリームで油分・水分を与える

だと思います。

３．トゥをポリッシュする

の工程はやる人やらない人がいるので、おまけだと思っています。

ちなみに僕は１番の汚れ落としにはブラッシングと濡れタオルを使います。

ステインリムーバーは水分を取り過ぎるので、最近は使っていません。

靴への塗布の仕方を誤るとシミにもなるので、初心者は濡れタオルがいいかなと思います。

あ、タオルは濡らしたのち、ちゃんと絞ってほどよく水分を含んだ状態にしています。

乳化性クリームは薄く塗るというのは基本ですが、その後の手入れは人によるみたいです。

ブラシで塗り込む派とクロスで磨きこむ派がいます。

以前は後者でしたが、信頼する靴屋の店員さんにブラシでの手入れ方法を教えていただいたので、今はそちらを実践しています。

コツは毛先だけで軽くブラッシングすること。

革の状態を見ながらブラシの硬さや力加減、ブラッシングの時間を変えていきます。

そして最後のポリッシュ。実はここが本題です。

先日、高級英国靴を鏡面磨きしている画像を見つけました。

僕はなんとも悲しい気持ちになりました。

派手でセクシーなイタリア・スペイン靴ならともかく、質実堅剛な英国靴に鏡面磨きなんて！！

もちろんポリッシュの有無や加減は人それぞれの好みです。

でも、靴や革に合わせた手入れという面で考えれば、？マークがつくお手入れだと思います。

文章だけでは伝わりづらいと思うので、僕の靴を見ていただきたいと思います。

まずは英国のドレス系ブーツ。ブランドはアルフレッドサージェント。

この靴はレースアップブーツの中でもドレス寄りの靴なので、ポリッシュを施しています。

ただし、いやらしくない軽いポリッシュです。

もう少し控えめでもよかったかな、と思うくらいです。

続いて、アメリカンな靴。ジャランスリワヤのフルブローグシューズです。

グレインレザーは鈍い光沢を放つ姿が最も美しいと思います。

なのでポリッシュはほんの一瞬。必要最低限です。

乳化性クリームで磨いた羽根の部分も良い光沢だと思います。

３万円の靴にしては良い革です。

ジャランはモデル・個体によって当たり外れが激しいんですけど、これは間違いなく当たりです。

続いては同じくジャランのダブルモンク。

ロングノーズでイタリア的なので、本当はもっとポリッシュしてもいいのかもしれませんが、乳化性クリームのみでのお手入れです。

それでも十分な光沢感があります。

最後に先日購入したチャーチのサイドゴアブーツ。

まだお手入れしていませんが、展示品だったので店員さんが軽くお手入れしていたものと思います。

乳化性クリームのみの光沢感です。

恐らく僕もこの靴をポリッシュすることはないと思います。

したとしても、本当に薄いポリッシュ。

英国靴好きの僕のポリシーを語ってしまいましたが、どうでしょう。

恐らく趣味のことなので、賛否両論だと思います。

でも英国の街並みに鏡面磨きの靴は似合わないと思うのは、英国を訪れたことのある方なら共感して頂けるんじゃないかなーと思います。